サイドストーリー

空からの白い思い出 ふたたび..

投稿:もえじろ:2008年2月3日

今年二度目の雪。
学校の帰り道、この寒さを紛らわせるために千本木と僕はちょっと寄り道をする。

「ねぇ千本木、この雪積もるかなぁ。」
千本木は砂糖だけを入れたコーヒーを一口飲むと
「そうだなぁ。このまま降り続けば、雪合戦ができるくらい積もるんじゃないか?」
「…積もるといいね。」
僕はウィンドウ越しに外の雪を眺めながら、甘いココアを口に含んだ。

「そう言えば…」
千本木が話しかける。
「あきら、覚えてる?小学校4年の時だったかな。学校の校庭で放課後にみんなで雪合戦したの?」
「うーん……。」
「おまえ、最初のうちはうまくよけてたのに、よけた方からの雪玉顔面にくらってフラフラしてたんだよな。」
千本木は笑いながら話す。
「ちょっとヤバいかなと思って、おまえを引きずって一緒に逃げたけど、鼻の頭まっ赤にして半べそで、、」
「あーー、うるさい!」
恥ずかしくて千本木の話をさえぎる。
「もう!なんでそんなこと覚えてるんだよ!」
千本木はコーヒーを飲み終えると、静かに言い返した。
「…おまえのことなら、なんでも覚えてるよ。」

思い出した。
僕はあまり気乗りしなかったんだけど、メンバーが足りないからって…。
そう、最初は雪玉をよけていたんだけど、一発まともに当たっちゃってその後はよく覚えていない。。
千本木の声に気がついた時は校舎の陰で、その千本木は雪まみれだった。
僕を連れて逃げる間に標的にされちゃったんだろう。
でもその雪を払いもせずに僕に声を掛けていた。そういうヤツなんだよな。

外の雪は降り続き、歩道はうっすらと積もり始めている。
僕は横目でガラスに映る千本木の姿を見ると、千本木も外の雪を眺めていた。
その僕の目線に気がついたのか、
「明日雪がやんだら、久しぶりに雪合戦でもやるか?でも二人じゃすぐに勝負ついちまうから、桃井と椎名さんにも連絡して。」
「えー、桃井さんのことだから、マシンガンみたいに雪玉投げてくるよー……。」
すると、千本木は小さく笑いながら答える。
「今度はちゃんと俺が守ってやるよ。」
僕は一瞬返答に困ると
「…だ、大丈夫だよ。昔とは違うんだから!」
「確かに違うな。今は女の子だし。」
「そういう意味じゃなくてぇ!」
「はは、とにかく明日は暖かい格好で来いよ。」

近くの川の河原で、僕らは雪合戦を始めている。
チームはやっぱり、僕と千本木、桃井さんと椎名の組み合わせ。
始める前にお互いが雪の壁を作って、隠れることができるようにした。
最初は軽く投げ合っていたんだけど、しだいに調子が乗ってきたのか、桃井さんは思った通り、マシンガンのように雪玉を投げ始めた。
だけど、後ろでの椎名の雪玉の生産が間に合わない。
そのマシンガンのやむ間が僕らの勝算のタイミングだ。

「今だ!」
千本木は雪の壁から出て、桃井さんたちに向かって雪玉を投げつける。
「きゃっ!上原君!!」
千本木からの雪玉を避けようと、椎名は桃井さんの後ろにしがみつく。
桃井さんは椎名をかばいつつ、千本木からの雪玉をはらい続ける。
僕も千本木に負けじと雪玉を投げようと構えたんだけど、その二人の姿が、、、
「…いいなぁ。椎名。。」

その瞬間、桃井さんの目が光った!
「くらえ!スノークラァッシュ!!」
どこに隠していたのか、直径30cmくらいの巨大雪玉が僕の目の前に……。
「しまった!あき、桃井!!」
千本木の叫びも空しく、僕は顔面に巨大雪玉をくらって、倒れた。。。

「もう!雪合戦なんて大嫌いだぁ!!」

おかしいなぁ。。
シリアスのつもりで描いていたんだけど、出来上がりはギャグになってしまいました。
まぁ、サイドストーリーは原作に忠実にというポリシーなので、ギャグで終わるのが正しいのかなと(^^;
でも、ちょっと続きを描きたくなって、お話を追加したりして。(会員さんだけ読めます)
そうそう、「スノークラッシュ」は桃井さんの雪合戦の必殺技らしい。。

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いただいた感想一覧

もえじろ  投稿日時 2008-2-3 16:40 | 最終変更
コメント機能のテストも兼ねてカキコ。

会員さんだけって書いても、まだ受け付けしてないのよね(^^;
来週の3連休中に会員登録機能の最終確認をするので、もうちょとお待ちください。

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でもどれくらい需要あるのかしらん。。