サイドストーリー
空からの白い思い出 ふたたび..
今年二度目の雪。
学校の帰り道、この寒さを紛らわせるために千本木と僕はちょっと寄り道をする。
「ねぇ千本木、この雪積もるかなぁ。」
千本木は砂糖だけを入れたコーヒーを一口飲むと
「そうだなぁ。このまま降り続けば、雪合戦ができるくらい積もるんじゃないか?」
「…積もるといいね。」
僕はウィンドウ越しに外の雪を眺めながら、甘いココアを口に含んだ。
「そう言えば…」
千本木が話しかける。
「あきら、覚えてる?小学校4年の時だったかな。学校の校庭で放課後にみんなで雪合戦したの?」
「うーん……。」
「おまえ、最初のうちはうまくよけてたのに、よけた方からの雪玉顔面にくらってフラフラしてたんだよな。」
千本木は笑いながら話す。
「ちょっとヤバいかなと思って、おまえを引きずって一緒に逃げたけど、鼻の頭まっ赤にして半べそで、、」
「あーー、うるさい!」
恥ずかしくて千本木の話をさえぎる。
「もう!なんでそんなこと覚えてるんだよ!」
千本木はコーヒーを飲み終えると、静かに言い返した。
「…おまえのことなら、なんでも覚えてるよ。」
思い出した。
僕はあまり気乗りしなかったんだけど、メンバーが足りないからって…。
そう、最初は雪玉をよけていたんだけど、一発まともに当たっちゃってその後はよく覚えていない。。
千本木の声に気がついた時は校舎の陰で、その千本木は雪まみれだった。
僕を連れて逃げる間に標的にされちゃったんだろう。
でもその雪を払いもせずに僕に声を掛けていた。そういうヤツなんだよな。
外の雪は降り続き、歩道はうっすらと積もり始めている。
僕は横目でガラスに映る千本木の姿を見ると、千本木も外の雪を眺めていた。
その僕の目線に気がついたのか、
「明日雪がやんだら、久しぶりに雪合戦でもやるか?でも二人じゃすぐに勝負ついちまうから、桃井と椎名さんにも連絡して。」
「えー、桃井さんのことだから、マシンガンみたいに雪玉投げてくるよー……。」
すると、千本木は小さく笑いながら答える。
「今度はちゃんと俺が守ってやるよ。」
僕は一瞬返答に困ると
「…だ、大丈夫だよ。昔とは違うんだから!」
「確かに違うな。今は女の子だし。」
「そういう意味じゃなくてぇ!」
「はは、とにかく明日は暖かい格好で来いよ。」
近くの川の河原で、僕らは雪合戦を始めている。
チームはやっぱり、僕と千本木、桃井さんと椎名の組み合わせ。
始める前にお互いが雪の壁を作って、隠れることができるようにした。
最初は軽く投げ合っていたんだけど、しだいに調子が乗ってきたのか、桃井さんは思った通り、マシンガンのように雪玉を投げ始めた。
だけど、後ろでの椎名の雪玉の生産が間に合わない。
そのマシンガンのやむ間が僕らの勝算のタイミングだ。
「今だ!」
千本木は雪の壁から出て、桃井さんたちに向かって雪玉を投げつける。
「きゃっ!上原君!!」
千本木からの雪玉を避けようと、椎名は桃井さんの後ろにしがみつく。
桃井さんは椎名をかばいつつ、千本木からの雪玉をはらい続ける。
僕も千本木に負けじと雪玉を投げようと構えたんだけど、その二人の姿が、、、
「…いいなぁ。椎名。。」
その瞬間、桃井さんの目が光った!
「くらえ!スノークラァッシュ!!」
どこに隠していたのか、直径30cmくらいの巨大雪玉が僕の目の前に……。
「しまった!あき、桃井!!」
千本木の叫びも空しく、僕は顔面に巨大雪玉をくらって、倒れた。。。
「もう!雪合戦なんて大嫌いだぁ!!」
おかしいなぁ。。
シリアスのつもりで描いていたんだけど、出来上がりはギャグになってしまいました。
まぁ、サイドストーリーは原作に忠実にというポリシーなので、ギャグで終わるのが正しいのかなと(^^;
でも、ちょっと続きを描きたくなって、お話を追加したりして。(会員さんだけ読めます)
そうそう、「スノークラッシュ」は桃井さんの雪合戦の必殺技らしい。。
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でもどれくらい需要あるのかしらん。。